久御山高校2001年度学校公開  理科模擬授業  2001.9.29.

本日の授業の内容

 本日の内容は,久御山高校では2年生および3年生が学習する内容を統合したものです。光については小学校から中学,高校まで理科の授業に登場します。本日は在校生に好評の光に関する実験を,皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。光の不思議でおもしろい性質を楽しんでください。


1 光とは
 「光」という言葉は,日常生活では「可視光線」と同じ意味で使われています。では「可視光線」とは何でしょうか。

可視光線・・・・波長が0.38μm〜0.77μmの(ア)      の一種
          1μm=1000分の1mm

電磁波・・・・・・電場と磁場がお互いに作用しながら伝わる横波
         (イ)       という人が「光は電磁波の一種である」と予言した(1864年)。
         それを(ウ)      という人が実験で証明した(1888年)。 → こちらをどうぞ


2 光は横波
 波には縦波,横波,表面波などがありますが,光は(エ)      です。
  横波・・・・進行方向と波の振動方向が垂直の場合
  縦波・・・・進行方向と波の振動方向が平行の場合

 光は電磁波の一種ですね。これは電場と磁場が互いに影響を与えながら進みます。電場や磁場の向きと進行方向が垂直なのです。


●実験:偏光
 光が横波であることを直接示すのは大変難しいのですが,偏光板という器具を使って光が横波であることを楽しみましょう。

<方法1> 1枚の偏光板を使う実験
(1)黒板や床、机、ガラスの反射光を見る。見るとき、偏光板を回転させながら変化を調べるとどうなるか。
(2)腕時計や電卓、携帯電話、PHSなどの液晶画面を見るとどうなるか。
  ※こんな実験もあります

<方法2> 2枚の偏光板を使う実験
(3)2枚重ねて観察する。1枚を回転させ、もう1枚は回転させずに見る。どの角度で明るくなるか・暗くなるか調べる。
(4)1枚にセロテープを貼り、セロテープをはさむように2枚の偏光板を重ねる。1枚は回転させるとどうなるか。
(5)さらにもう1本セロテープをクロスするように貼る。(4)と同様に回転させるとどうなるか。
セロテープを2本ともはがして、次の実験をする。
(6)プラスティック板を2枚の偏光板の間にはさむ。偏光板を回転させるとどうなるか。
(7)プラスティック板にセロテープを2本貼り、2枚の偏光板の間にはさむ。偏光板を回転させるとどうなるか

偏光板で実験する参加者  とても楽しそう


3 光の成分
 1つの波長からなる光を 単色光 といい,いろいろな波長の光を含み,色合いを感じない光(太陽光など)を 白色光 といいます。
 この白色光を分散させるのに,(オ)      や 回折格子 という器具を使います。分散してみられる光の帯を(カ)      といいます。

●実演:レインボーフィルムによる白色光の分散

うまく写真が撮れませんでした。実物はもっときれいでした。別の日に撮影したのはこちらです。

●製作:簡易分光器

注意:回折格子のレプリカ(複製品)は、指紋や指の油、傷などが付かないよう、細心の注意を払ってください。

製作は楽しい


できた子はどんどん外を見る でも見方が分からない人もちらほら・・・・


●実験:いろいろな光のスペクトル

(1)窓の外(太陽光を間接的に見る) 直射日光はよくないです。
(2)電球からの光(太陽光との違いはあるか)
(3)蛍光灯からの光
(4)水銀ランプからの光
(5)ナトリウムランプからの光
(6)新型電球からの光 → 新型電球の正体は?

蛍光灯を見よう


ナトリウムランプを見よう


普通の電球と新型電球を調べよう

4 おわりに 
 光について,いろいろな現象を見てきました。高校ではもっともっと光の性質を学習していきます。知れば知るほど楽しく不思議なのが理科ですね。
 久御山高校の理科は,実験をとても多く取り組んでいます。例えば昨年度の1年間で,約370回の生徒実験をしました。見るだけの実験を含めるとその2〜3倍です。皆さんが久御山高校に入学して,一緒に理科の学習をしていくことを楽しみにしています。


追加
最後に質問がありました。→「偏光板を2枚直角に重ねて見ると確かに暗くなるけれど,紫色に見える。これはどうしてでしょうか?」
答→偏光板そのものの色がある。また,2枚の偏光板の結晶軸を直交状態にしても100%光を遮断することはできない。なぜなら結晶軸がきれいに平行になっている製品を作るのは大変困難であり,一般の製品は厳密には不揃いである。そのため,少し光を透過した。


穴埋めの答
 ア:電磁波
 イ:マクスウェル
 ウ:ヘルツ
 エ:横波
 オ:プリズム
 カ:スペクトル

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