ペットボトルはく検電器の製作および静電気の実験

 はく検電器とは,金属の薄い膜(箔=英語ではホイル)を利用して,静電気の状態を調べる装置です。右の図が学校の実験室にあるもので,高さが15cmくらいで手のひらに乗る大きさです。本物のはく検電器はアルミはくがとても薄く,直接ふれるとすぐにこなごなになってしまいます。
 
 今日はペットボトルの空容器を使って,これと同じはたらきをする装置を作ります。また,静電気の実験をおこないます。失敗しないように,注意深く製作しましょう。

1 準備
 ステンレス板(1人当たり,厚さ0.1mm×長さ11cm,幅は4cmと1cmの2種類)
 発泡スチロール(1人当たり,幅5cm×長さ12cm,厚さは1〜2cm)
 塩ビパイプ1本(直径2cm程度,長さ30cm程度)
 アクリルパイプ1本(サイズは塩ビパイプと同じ)
 輪ゴム2本,セロハンテープ,アルミホイル2cm×10cm程度
 はさみ,ティッシュペーパー2〜3枚
 ペットボトル空容器

2 工作の手順
(1)ステンレス板が大小2つありますね。手を切らないよう,注意して下さい。
(2)ステンレス板の小さい方を発泡スチロール中央にさしこむ。
(3)2cmくらいのところを直角に曲げる。ステンレス板全体を下にさげる。
(4)大きい方のステンレス板を発泡スチロールの上に乗せる。シールをめくって固定する。(ステンレス板"小"と"大"が接触していないと,後の実験は失敗します)
(5)アルミホイルを幅1cm,長さ10cmに切る。これを2本用意。ステンレス板"小"のはしにセロハンテープでつける。このとき,2本のアルミホイルはなるべく接近させておくのがコツです。

(6)ペットボトルの口に入れます。アルミホイルがまっすぐ下にたれるようにしよう。
(7)輪ゴムで発泡スチロールを固定します。



3 静電気の実験をしよう
(1)塩ビパイプをティッシュペーパーでこすると,まさつのせいで塩ビパイプには負(マイナス)の電気が,ティッシュペーパーには正(プラス)の電気が生まれます。ただしティッシュペーパーの正の電気は体をつたってすぐに逃げていきます。
  塩ビパイプに負の電気を持たせ、はく検電器に近づけるとはくが開きます。なぜでしょうか? その理由は・・・・
  このような現象を,静電誘導といいます。


(2)この塩ビパイプをはく検電器に近づけたまま、金属板に指を触れるとはくの開きはどうなるでしょうか。
イ、さらに大きく開く
ロ、変わらない
ハ、小さくなる
ニ、閉じてしまう


(3)金属板に指を触れて離した後、塩ビパイプを遠ざけると、はくはどうなるでしょうか。
イ、(1)のときより大きく開く
ロ、(1)のときと同じくらいに開く
ハ、(1)のときの半分くらいに開く
ニ、閉じる


(4)(3)の状態になっている はく検電器に塩ビパイプをもっと近くまで近づけると、はくの開きはどうなるでしょうか。
 あまり近づけすぎると,「ピチッ」という音がします。これは空中で金属板に放電してしまったのです。この場合は(1)からやり直して下さい。




(5)(3)の状態になっている はく検電器に、ティッシュペーパーでこすって電気を持たせたアクリルパイプを近づけると、はくの開きはどうなるでしょうか。
イ、(3)のときより大きく開く
ロ、(3)のときと同じくらいに開く
ハ、(3)のときの半分くらいに開く
ニ、閉じる


(6)(5)の結果から,アクリルパイプはプラス・マイナスどちらの電気を持っていたでしょうか。


(7)(3)の状態になっているとき,プラスの電気を近づけるとどうなるか,マイナスの電気を近づけるとどうなるか,わかりましたか?


(8)下じきとかみの毛をこすると静電気が生まれます。下じきはプラス・マイナスどちらの電気を持っているでしょうか。(どんな実験をすればいいでしょうか)






参考 帯電列

 <プラスに帯電>
  アクリル
  ウールの布
  ガラス
  絹布
  エボナイト
  ナイロン(ラップ)
  塩化ビニル
 <マイナスに帯電>

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