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 記録タイマー (実験器具紹介) 

ほとんどの中学や高校の教科書に載っているこの器具。速度や加速度を調べるのに,手軽で分かりやすいことから全国に普及していると思います。

紙テープは2種類あります。1mm間隔で線が引かれているものと,真っ白のもの。前者の方が測定が楽です。

カーボン紙の下に紙テープを通してスイッチを入れると,「ジジジジ・・・」という音とともに,紙テープに黒い打点がつきます。
この打点は,西日本では1秒あたり60回です。交流電源の周波数に一致しています。

僕の高校のときにした実験の一つに,この記録タイマーを用いて人が歩くときの速度や加速度を調べるというものがありました。高校時代は生徒実験が少ないせいか,よく記憶に残っています。

記録タイマーを用いて重力加速度を測定しようとしても,なかなか9.8m/s2になりません。僕が教員になって,毎年行いましたが,9.0が出ればよい方で,9.8が出たら,「ウソやろ?」などと言ったものです。
なぜ精度が悪いのか。
1.紙テープと記録タイマーや点を打つときの摩擦。
2.紙テープに丸まったくせをのこしたままだと記録タイマーを通過するときに抵抗力を生む。

このため,次のような改善が考えられます。
紙テープのまるまるクセを取り除く。つまり,長い紙テープを縦に長く2つ折りにして,もう一度開く。2つ折りにする小道具をつけた記録タイマーもあります。これは一定の改善ができました。
テープはこのように丸まる。
引っ張るとみごとに2つ折りができる。
落下の準備完了
打点をつけた紙テープ。点と点の間隔は60分の1秒。


本校では,速度を測定する必要のあるときは,ビースピを使います。従って力学実験では,ほとんど記録タイマーを使いません

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