2012年センター試験「物理 I 」について

2012年度センター試験「物理 I 」を解きました。
問題入手先の例→こちら
下記の内容は以前ブログで掲載した文章(2012.1.15.)に,加筆修正を行ったものです。

2012.1.15.

【全体】

私の所要時間43分。各大問ごとに10分〜11分。
計算で手こずるところはない。平易な計算ではあるが,計算の総量は増えたために時間がかかったように思う。
問題の難易度は例年並みかほんの少し難しくなったかという程度。計算量からして計算ミスによる平均点低下がありそうに感じる。→実際には平均点は4点前後下がりそうです。

力のモーメントや浮力が出題されていないが,全分野から出題しようとする「全網羅主義」は継続されている。
違反の疑いのある出題はないだろう。
生活に密着した内容とか,目新しい実験題材はほとんどなく,そういう意味では古典的な問題がほとんど。新課程で始まった新しい出題方針は昨年度終了してしまったのかなと思われる。

全体として,随所に工夫された問題でありながら凝りすぎず,難易度に配慮のある出題であると思う。

【大問1】

小問集合は例年通り。力のつりあいの三角関数処理を要領よくしないと時間不足につながる。
空欄6は数値計算だが計算ミスに気をつけたいところで,正しく計算すると負担は少ない。

【大問2】

電磁気分野。空欄3は「ショート回路」の正しい理解ができていないと解けないだろう。等価回路を考えると問題が把握しやすい。

空欄4は式を立てると無理関数であることが分かり,グラフの概形を正しく選べる。しかし,いくつかの点をプロットしようとすると,時間を取られることになりかねない。短時間での解法を適切に判断したいところ。

【大問3】

空欄1は若干の計算と現象の想像力が必要。日頃から考えることが求められている。
空欄2はセンター試験にしてはやや難しいかも知れない。物理的考え方を数式操作で表現できるか,また,赤色光と青色光では前者の波長が長いことも必須の暗記事項(波長まで覚える必要はない)

空欄3・4は焦って判断ミスをしないように。落ち着いて,学習内容に基づいて答を導こう。

【大問4】

装置は問題集なのでよく見かけるのだが,設問は工夫されている。立式して考えると少々時間を取られるが,その方が無難だろう。自分が書いたグラフと一致するグラフを選択肢から選ぶように。
空欄5の物体の往復の問題はおもしろいですね。難しくはないけれどよく考えられた問題です。
最後はいつも熱。計算は簡単。空欄8は熱力学の第1法則を用いるのだろうが,断熱圧縮の知識や加熱して気体が膨張するという基本知識で十分。易しい。