2010年センター試験「物理 I 」について

2010.2.12.

2010年のセンター試験「物理」の問題を解きました。
問題はたとえばこちらで見ることが出来ます。ご参照ください。

下記の内容は以前ブログで掲載した文章に,加筆修正を行ったものです。

第1問

数年前,新課程で派手になった「第1問」も近年の平穏化の流れ通り,今年は完全に旧来の問題ばかりに戻った。旧来といっても決して否定的な意味はない。物理の学習上必要なオーソドックスな基本問題であり,学習してきたとを生かせるような出題であった。歓迎したい。

特に出題上気になることはないが,身近な生活の中の物理を扱う問題がほとんど影を潜めたのは,近年のゆとり教育による学力低下に対する批判といった動向と無関係ではない気がする。考えすぎだろうか。

第2問

ここではいきなり家庭の電気が出てきてびっくり。第1問の反動かと思ったが,解いていくうちに内容はいたって普通の事柄であることが分かった。

問2の空欄3はきちんと考えたことがないと,引っかかるのではないだろうか。この数年,僕がヤマを張っていた題材だが,ちゃんと解けただろうか。
問3は先週の授業で扱った問題とそっくりでおどろき。
問4はポテンショメーターだが,(イ)で不意を突かれた受験生もいただろうと思う。こういうところで実力の差がでるのだが,ただ物理IIを学習していないと少々辛いかもしれない。出題違反の可能性もある

第3問

波動の問題。問1や2は一度は解いたことがあるだろう。特に問2は過去にも出ていたように記憶している。

問3・4は基本的ながらもよく練られた問題に仕上がっている。問3の逆位相の振動はセンター試験では珍しいのではないか。いつか出るとは思っていたが・・・。また問4は現象をよく把握できていないと落とし穴にはまりそうな問題。問3をヒントと受け止めれば楽だったかも知れない。

全体的に良問だが,センター試験としてはやや難しい部類。問2の計算や問4で平均が下がりそう。

第4問

今年はA,B,Cの3つに分かれていた。Aが熱というのは意外だったが,見かけによらず易しい。問3はさすがセンターという感じ。これは数式で解こうとすると難儀したかも知れない。

B,Cは力学。Bはエネルギーを主とした設問だが,問6で単振動の知識が必要となり,この出題は違反の疑いがある
C は力のつり合いや運動方程式を主とした設問として作成されたのかなという印象。しかし問8はエネルギーとその摩擦損失を考えた方が速く解ける。運動方程式のカラーをもっと出して欲しい気がした。ただ,運動方程式で解く場合なら連立方程式になることから,平均点の低下を招きそう。

全体として

センターらしい,よく考えられた問題が多い。基礎基本を問う問題が多いが,一部は物理 I の範囲を超えている疑いのある出題も見受けられ,少し気になった(ポテンショメーターや単振動の加速度など)。

物理受験者は他の理科の科目よりも理系志望者が多く,平均点は高めが普通だと思うのだが,例年そういう考え方に立ってはくれないようだ。しかも今年は他の科目より平均点が低い可能性がある。これってどうなん?

また例年のことだが,複数問題の完全解答がある。昨年より減ったらしいが(出典)出来るだけやめてもらいたい。
具体的には,第1問の問6,第2問の問2と問3。偶然の正解に点を与えたくないのは理解できるが,学習到達を見る上では適切とは思えない。選択肢を増やし,別々に配点すべきと考える。ただでさえ物理は設問数が少なく,1つあたりの配点が大きいんだから。
とにかくこの件は強く要望したい。
なお第4問の問3の完全解答は例外的に理解できる。

ホームページのトップへ